キャンピングカーには,走行用のバッテリーとは別に,キャンプでの生活に必要な電源を確保するために「サブバッテリー」を搭載します.これは,走行用のバッテリーをキャンプでの生活(室内灯やTVなど)に使用していると,帰りがけにバッテリーが上がってしまい,いざ帰ろうとしたときに車のエンジンがかからなくなってしまうのを防ぐために,走行に必要な車のバッテリーとは別に,サブバッテリーを車に積んでいるわけです.
一般にサブバッテリーは,車に積んでいるバッテリーより容量の大きな物(100Ahなど)を積んで使用していますが,夜間の室内照明や冷蔵庫など,結構電気を使うものです.これらの電気をサブバッテリーから得ていれば,万一サブバッテリーが上がってしまっても,車のバッテリーは健� ��ですから,エンジンをかけるには影響はありません.
車に搭載されているいわゆる自動車用のバッテリーは,エンジンをかけるためのセルモーターを回すのが第一の目的です.エンジンをかけるときにセルモーターには70A〜90Aもの電流が流れます.したがって,車用のバッテリーは短時間,大電流の使用に耐えられるように一般的に設計されています.
しかし,キャンピングカーに搭載するサブバッテリーは,一般的には室内の照明や,冷蔵庫,TVなどの動作電流が4〜5A程度の比較的少ない電流で長時間使用できるのが望ましい特性です(ただし,車内に電子レンジなどを積んで,1.トイレタンク内の部品を交換する方法
5kW程度のインバーターを乗せている人は,電子レンジを動作させるのに,場合によってはセルモーターを回す場合と同様の電流を数分間流すことになりますが…).
そこで,一般にこれらの用途にあったバッテリーとして充電時に水素ガスの発生が少ないシール型のバッテリーや,電動カートや電動フォークリフトなどに使用されているディープサイクルバッテリーなどを使用することが多いようです.
以下は完全な私見ですが,このホームページの「キャンピングカー サブバッテリーの徹底チェック顛末記」で述べていますが,現在私が使用している キャンピングカーに最初から搭載されていた国外メーカーのシール型バッテリーの信頼性には一抹の不安を感じます.個人的にはEBバッテリーと称する,ディープサイクルバッテリーを信頼しています.私の車に積んであるバッテリーは,日本電池のEB160という電動車両用のバッテリーです.
重量が51kgという腰の抜けるような重いバッテリーです.
一方,現在の車に付いてきたサブバッテリーは公称容量105Ahで重量が約20kgとうたっています.このバッテリーを2本並列にして使用していましたが,1年半程度で使えなくなってしまいました.105Ahが2本ですから,容量は210Ahです.重量は20kgを2本ですから約40kgとなります.
それがEB160バッテリーは容量が160Ahなのに1個でも重量は1.PSPは、ヘルプを充電されません
2倍,大きさも105Ahのバッテリー2個よりも大きいのです.外国製のバッテリーは"小型で高性能?"なのかもしれませんが,実際に使用して感じたのはEB160に軍配が上がります(あくまでも私の個人的意見です.誤解のないように).
話がだいぶ横道にそれてしまいました.本題のバッテリープロテクターに話を戻します.
私たちがサブバッテリーに使用している「鉛バッテリー」には,放電終止電圧というものが決められています.この放電終止電圧というのは,バッテリーの端子電圧がこの電圧以下になったら放電を中止しなければならないという電圧です.この電圧以下になっても放電をし続けると, いわゆる過放電という状態になり,バッテリーの寿命を著しく縮めてしまうという値です.
12Vの鉛バッテリーの放電終止電圧は,一般に10.5Vとなっています.ですから,この電圧以下まで放電をしてはいけません.
バッテリー電圧を気にしている人は,サブバッテリー用の電圧計などを車に取り付け,電圧の監視ができるようにしているのをよく見ます.
通常の使用状態なら電圧計で監視しておけば特に問題はありませんが,キャンプから自宅へ戻った後,後片付けをし,そのまま車庫などに車を入れた場合,例えば冷蔵庫のスイッチを切り忘れたとか,他の電装品のスイッチが入ったままだったという場合にこの放電終止電圧以下にまで放電させてしまうとバッテリーに致命的なダメージを与えてしまいます.
この ような事故をなくすために,放電終止電圧にまでバッテリーの電圧が下がったら,自動的にサブバッテリーを電装品の回路から切り離すようにするのがバッテリープロテクターです.
もちろん,市販品も存在します.30Aの仕様の製品が8,000円程度で購入できます.
どのような仕様にするか
次のような仕様で製作します
@ 30Aの電流がON/OFFできること
A 放電終止電圧より気持ち高い電圧(10.どのように私は、ビニルトップグルーautoを削除しますか
8V)までバッテリーの端子電圧が下がったら回路を遮断する
B バッテリープロテクターが動作したら,警告音を鳴らす
C 手動でのバッテリーOFF回路も内蔵
以上のような基本仕様としました.
まず@については,冷蔵庫や照明器具などをONにしても一気に30Aもの電流は流れません.1500Wのインバーターなどの配線は,バッテリーから太い線で直接配線してありますから,このプロテクターの回路は通りません.電流容量としては十分すぎる値です.
次のAの仕様である遮断電圧は,調整でどのようにでもなりますが,まあ気休めで10.8Vに設定します.しかし,バッテリーの端子電圧が10.8Vまで下がり回路が遮断されてバッテリーに負荷がかからなくなると,バッテリーの端子電圧はある程度の電圧まですぐ回復します.すると,10.8Vの電圧を超えるとプロテクターが外れて,回路がONになります.これを繰り返すとバッテリープロテクターがON/OFFを繰り� �し,中に入っているリレーがバタバタとON/OFFを繰り返してしまいます.
このトラブルを防ぐために,いったんプロテクターが10.8Vの電圧で動作すると,今度は10.8Vを越えてもプロテクターはすぐには復帰しないようにします.この時点でバッテリーを充電し,端子電圧が12Vまで回復したらプロテクターが復帰するような回路にしました.
Bの警告音については,キャンプ中に電気を使い過ぎて電圧が下がってしまって,いきなりプロテクターが働いて電気が切れたのでは,いったい何のトラブルで電気が切れたかが瞬時には判断できません.そこで,消費電流の極めて少ない圧電ブザーを鳴らすことによって,プロテクターが動作して電源が切れたことを知らせるものです.
Cの手動でのOFF回路ですが,このバッテリープロテクターも電気製品の一種です.内部には半導体を使用しているし,リレーも動作させていますから,当然電流が流れます� �このバッテリープロテクターを働かせることによって,車庫などに長時間車を止めている間にバッテリーが上がっては困ります.長時間車を使わないような場合には,このスイッチによって車内の電源をOFFにし,同時にバッテリープロテクターを動作させるための電源もOFFにするためのスイッチです.
実際の回路と製作
@〜Cの仕様を基に,回路を組んでみました.製作した回路を図1に示します.
図1 バッテリープロテクターの回路
電気の知識のある方なら,回路を見ればすぐにわかると思いますが,簡単に回路内部を説明しましょう.
電圧検出は私にとっては定番のOPアンプLM358を使用しています.放電終止電圧として設定した10.8Vを正確に測るために,電圧比較回路内を一定電圧で動作させます.この電圧を作るのが7805という3端子レギュレーターです.
7805の出力電圧5VはLM358の8ピンへ接続されて,これがICの電源となっています.8番ピンと2番ピンの間に10kΩの抵抗が入り,その後ダイオード1S1588を3本直列に接続してアースに落とし,ICの2番ピンへ約1.8Vの基準電圧を与えています.
ICの3番ピンの電圧が2番ピンの電圧より高ければ1番ピンがHとなりトランジスタ2SC1815と2SD560がONにな ってリレーが動作します.
ICの3番ピンの電圧はバッテリーの電圧によって変動するようになっているので,バッテリー電圧が10.8Vになったらプロテクターが動作するように5kΩのヘリポットで調整を行います.このヘリポットに接続している10kΩの抵抗と5kΩのヘリポットで最初の遮断電圧を設定しますが,10kΩの横にある2kΩの抵抗で回路を復帰させる電圧を12Vまで持ち上げる役目を果たしています.
車内に取り付けて長期間使用するので,信頼性を高めるために回路はプリント基板を製作して,しっかりと組み上げます.この回路を組むために作ったプリントパターンを図2に示します.
基板,リレー,入出力の端子,圧電ブザーを配線し完成です.
入出力端子からリレーへの配線は,大きな電流が流れるのでなるべく太い線を使用します.
調整は
配線がすべて終了したら,設定電圧の調整を行います.10Vから15Vくらいまで可変でできる定電圧電源を用意し,入力端子へ電圧を加えます.電圧を10.5V近辺まで下げたときに,バッテリープロテクターのリレーがOFFになり,ブザーが鳴るように5kΩのヘリポットを調整します.バッテリープロテクターがOFFになってブザーが鳴ったら,今度は少しずつ定電圧電源の電圧を上げていき,リレーがONになる電圧が12V近辺になっていれば終了です.
できあがったバッテリープロテクターの内部とケース外環を写真1と写真2に示します.
図2
バッテリープロテクターの
プリント基板
基板の寸法は左右60mm
左 写真1 ケース内部のようす
下 写真2 ケース外観
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