2012年5月1日火曜日

Usdairyforage


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最新技術情報
粗 飼料に関する事についての技術情報です。

今年の初め、米国のペンシルバニア州で行われた粗飼料に関するセミナーに参加しました。そのときの内容を抜粋してお知らせします。

米国酪農のトレンド? 循環型農業の構築 (Silage for Dairy Farms、Jan.23〜25、2006、Camp Hill, Pennsylvania)
米国、特に東部、中西部では環境保護およびコストダウンの目的で、酪農場内での肥料、飼料、家畜、糞尿を用いて、窒素、リン、カリなどを極力循環させるよ うに指導しています。酪農場に飼料、肥料として持ち込むこれらの元素の量と酪農場から生産される物の中に含まれる元素の量の差を極力少なくするため、様々 なことが行われています。自給飼料の収量を最大限にするため、土壌分析を行い、糞尿を極力利用しながら足りない成分だけ肥料として補うことはもちろん、施 肥のタイミングや、牧草の植え方(デントコーンの密植)、品種などあらゆる方面の研究が行われています。乳牛の飼料においても飼料設計で自給飼料を最大限 給与しながら、購入飼料を最低限に押さえ、糞尿中に排泄される窒素やリンのレベルを低下させる、効率よい生産を目指しています。また、自給飼料の生産にお いても様々な手法を検討、比較し、経済的かつ品質の良い物を生産する手法が検討されていました。

ロールベールサイレージの正しい作り方と置き方 (Silage for Dairy Farms、Jan.23〜25、2006、Camp Hill, Pennsylvania)


品質の良いロールベールサイレージを作るには次のことに気をつけるとよい そうです。
1.ロールをきつく巻く(隙間が少なければ空気に触れることも少なくなる。きつく巻くためには機械の選定、草の巻き取る方向なども重要)
2.巻いた後はできるだけ早くラップする(空気に触れる時間が長くなるほど、呼吸により栄養価がロスする)
3.ラップは十分巻く
4.巻いた後の移動はできるだけ少なくする(動かせばラップが変形し、空気が入る危険性が高まる)
5.おき方は平面を下にした状態で2〜3段積みにする。
6.できるだけ直射日光に当てないようにする(直射日光が当たると温度変化により水分の移動が起こり品質が低下する)
7.直射日光に当たる確立を減らすために、ロールベールサイレージは南北方向に長く並べると良い
8.最近出てきたカッティングベーラー はより良い品質のラップサイレージができる(糖分が露出して乳酸発酵しやすい?)

高水分サイレージの原因(Silage for Dairy Farms、Jan.23〜25、2006、Camp Hill, Pennsylvania)


高水分サイレージは酪酸発酵が起きやすく、栄養ロスも大きい。また、酪酸 発酵は匂いがきつくなり嗜好性が落ちるだけでなく、アミンが増加することでルーメン内発酵に直接的にダメージを与え、アンモニア態窒素が増加するので蛋白 の利用効率も低下する。よって、乾物が30〜35%程度になるまで予乾を行うことが一般的であるが、最近、高水分サイレージが増加している。この理由は天 候のせいだけではなく、機械の大型化、効率化が大きな原因となっている。最近は刈り取った後、草を1箇所に寄せる"スワッサー"がついた機械が増えてい る。作業効率は上がるが、これを行うことにより中側が乾きづらく、十分な予乾ができなくなっている。よいサイレージを作るためには刈り取った草はできるだ け広げて、乾燥しやすくすることが必要である。
 
コーンサイレージの新しいでんぷん消化率の評価方法(Silage for Dairy Farms、Jan.23〜25、2006、Camp Hill, Pennsylvania)
コーンサイレージにクラッシャー処理をするなどの技術が普及し、コーンの 消化率に対する意識が高まっている。そこで、どの程度の消化率であるのかを比較検討する方法が開発された。この方法はDEGREE of STARCH ACCESS(DSA)と呼ばれ、以下の方法で測定する。
    1.5〜20gのサンプル(粉砕も乾燥もせず、給与する形のまま)を大きめのビーカーに入れる
    2.水と緩衝液をいれ95℃まで加熱する
    3.加熱後、耐熱性のアミラーゼをを加えよく攪拌する
    4.サンプルを冷まして、さらに緩衝液、アミログルコシダーゼをいれ60分間攪拌する
    5.グルコースに転換されたでんぷん量を測定する
    6.グルコースに転換されたでんぷん量をサンプル中に含まれるでんぷん含量で割ってDSAを求める
    7.96%以上は"非常に高い"、93〜96%は"高い"、90〜93%は"中程度"、90%以下は"低い"と判定

サイレージ調整時のコントラクターの使い方(Silage for Dairy Farms、Jan.23〜25、2006、Camp Hill, Pennsylvania&私見)


最近、コントラクターを使ったサイレージ調整が増えてきているが、まだ、 まだ品質がよいものを効率的に作っているとは言えない状況である。まず、コントラクターはサイレージの作り方の基本をよく理解する必要があり、サイレージ の出来が悪ければ意味のない仕事をしたことになることを認識しなくてはならない。そのためには現場で働くすべての人間が、よいサイレージの作り方を学ばな くてはいけない。次にコントラクターのコストは現状では決して安くないが、競争が生まれることで価格は下がって行くことになる。その際、重要なのはいかに 効率よく人と機械を使うかである。そのためには実際の作業に取り掛かる前に、段取りをきっちりする必要がある。機械はできるだけ休ませずに動かすことが基 本で、良いサイレージつくりのためにはハーベスターの能力、サイロまでの運搬能力、サイロでの詰め込み能力が適切なレベルでバランスが取れていることが必 要になる。このあたりのことを意識することで、無駄な機械や人間が減り、効率よい作業ができるようになる。もちろんコストも低下する。

品質の悪い粗飼料は注意深く使用しよう


品質の悪い粗飼料を使用するときの注意として、オハイオ州立大学の Bill Weissは次のようなガイドラインを示している。
1)粗飼料は分析し、NDFが44%以上のアルファルファ、53%以上のイネ科牧草は乳量を低下させる可能性がある。
2)品質の悪い粗飼料はできれば育成か、泌乳後期の牛に給与し、泌乳初期と移行期の牛には最高の品質のものを与える。
3)NDFが高い場合は粗飼料の量を減らす。ただし最低必要なレベルは維持する。粗飼料NDFの割合が25%以上の飼料は乾物摂取量を低下させる。
4)発酵品質の悪いサイレージは給与量を減らす。
5)カビの生えたサイレージは高泌乳牛には与えない。他の牛に給与するときは量を減らす。
(Dairy Herd Management September, 2003)


使用前にサイレージはテストしよう


粗飼料の品質は牛群の健康に大きな影響を与えるので、新しいサイレージを給与する時は、テストする必要がある。 推奨する項目は以下のとおり。

 
1. 発酵品質の分析

主な目的は発酵がうまく行ったかどうかを調べることである。ほとんどのところでは乳酸、酪酸、酢酸、プロピオン酸、エタノール、アンモニア態窒素、pHな どの情報を提供している。サイレージのpHは発酵品質の決定的な指標となる。発酵品質が悪いサイレージは乾物摂取量が低く、後々健康問題を引き起こす。分 娩直後の牛のトラブルはこのようなことが原因となっている。もし、免疫機能が低下していると感じたら、発酵が不完全なサイレージは見過ごしてはならない。 コーンサイレージの発酵が悪ければクリストリディウムが増加しているかもしれない。

2. カビと酵母そしてその見分け方

粗飼料中のカビを見分けることができる酪農家は少ない。必要なのは毒素を産生するカビかどうかを見分けることである。例えば、嚢腫が多かったり、膣粘液が 多かったり、流産が多い牛群では、マイコトキシン ゼアラレノン(Zearalenone)に関係していると考えられ、この毒素はサイレージに繁殖するフ ザリウム菌に由来する。

トラブルシューティングの際、酵母の数はあまり考慮されないが、下痢が長く続く時はサイレージ中の酵母数を調べるべきである。もし、下痢が酵母によるもの であれば、その数は1g中最低でも1000万CFUとなる。サイレージ中の酵母の数が100万CFU以下であれば一般的には安全と考えてよい。

3.栄養成分の分析

飼料設計をする際、ブックバリューでなく、サイレージ中の実際の栄養分を知っておくべきである。特に微量ミネラルについてはインバランスを避けるためミネ ラル間の比率が重要となる。牛群の健康問題はしばしば微量ミネラルの不足から来ていることがあり、その不足がミネラル間の拮抗による場合もある。亜鉛: 銅、銅:モリブデン、亜鉛:マンガンなどの比率が一般的にバランスが崩れている場合が多い。粗飼料中のマンガンが通常の10倍、亜鉛が5倍の粗飼料もある ので注意が必要である。

4. 硝酸

初めにサイレージを給与する際は硝酸レベルをチェックすることを推奨している。硝酸の高いサイレージを給与すると、流産、蹄病、関節の硬直、震え、出生子 牛の虚弱などの問題が起こる。栄養学者や獣医はこのような症状が出ると栄養的な問題よではなく、何らかの感染病を疑いパニックになる。多くの場合、硝酸中 毒の問題は分娩房で起こる。サイレージを詰め込んでから給与を開始するまで最低90日は置き、給与する前にテストに出すことが必要である。Randy Asher (DHM Wednesday, October 16, 2002)
  Randy Asher is a dairy nutritional consultant from Graham, Texas.

アルファルファの圃場でのトラクターによる踏み付けは収量を減少させる。



ウィスコンシン大で行われた試験によると、重い機器を装着したトラクターに踏みつけられる事によって、アル ファルファの収量は確実に減少し、最高で70%も低下する場合もあった。よって、収量を維持するためには 1)できるだけ圃場にトラクターで入らない。乾 草を梱包して圃場に落としていく場合、あとでまた拾って回らなくてはいけないので、2回踏みつけることになる。2)できるだけ小さいトラクターを使用す る。 3)踏圧に強い品種のアルファルファを選定する事が必要。(Dairy Herd Management, Jan. 2002)

硝酸態窒素を含む粗 飼料給与のガイドライン



旱魃にあった粗飼料は硝酸態窒素が多い可能性があります。硝酸態窒素の量は分析すればわかりますが、ここで はレベルによる使用方法のガイドラインをご紹介します。
 
硝酸イオン(%) 硝酸態窒素(ppm) ガイドライン
0.0−0.04 1000以下 どんなやり方をしても安全
0.45−0.66 1000−1500 妊娠してない牛には安全。妊娠牛には使用量をDMで50%までに制限
0.67−0.88 1501−2000 使用量をDMで50%までに制限するなら、どの牛でも安全。
0.89−1.54 2001−3500 使用量をDMで35−40%までに制限。妊娠牛には給与すべきでない。
1.55−1.76 3501−4000 使用量をDMで25%までに制限。妊娠牛には給与すべきでない。
1.76以上 4000以上 毒性が高く、給与すべきでない。
(Dairy Herd Management Nov.2001)

サイレージのサンプルの取り方



正確な飼料計算は正確な飼料サンプリングに始まります。サイレージの分析はサイロの平均的な品質を代表する サンプルをとる必要があります。以下に、サイロ別の理想的なサンプルの取り方をご紹介します。

タワーサイロの場合
少なくともフィードカート一杯までサイロを取り出し、10-15箇所からサンプルをとりそれらを良く混ぜて サンプルとする。またはサイロを取り出す時の初め、中間、終わりでサンプルを取る。サンプルは密封できるビニール袋に入れて分析に出す。

バンカーサイロの場合
サンプルはいろいろな部分から取る必要がある。まず表面を3つに分け、それぞれの場所の上、中間、下の部分 からサンプルをとり、これらをよく混ぜてサンプルとする。また、これらのサンプルは正確な水分含量を得るために表面から20−25cm中から採取するこ と。
(Dairy Herd Management Nov.2001)

サイレージの取り出し方につい て



サイレージの取り出し方によって、サイレージの切断長は変わるかという問題についてWisconshin大 学のDr.Shaverらが試験を行いました。手で取り出した場合、トラクターのバケット部分で削って取り出した場合、専用の取り出し機械を使用した場合 で比較した結果どの取り出し方でも、サイレージの長さに変化はなかったと報告しています。また、サイレージを取り出す場合、最低でも1日あたり14cmの 厚さ以上取り出さないサイレージの品質が低下します。一度バンカーサイロの壁に印をつけて、1週間後にどこまで使用したか測定し1日あたりの使用量を確認 してみるとよいでしょう。
 

干ばつの影響を受け た粗飼料は分析すること



夏場に降水量が少なかった場合、干ばつのストレスを受けた粗飼料となります。この場合、危険なレベルの硝酸 を蓄積する場合が多くなります。よって、干ばつストレスを受けたと思われる粗飼料は、硝酸中毒を防止するために硝酸レベルを分析することを推奨します。


サイレージ分析による品質の見分け方




サイレージの分析でサイレージの発酵品質をより正確に把握することができます。サイレージの品質は原料草の水分、緩衝能力、糖含量によって変化しますが、 それとともに詰め込むときの切断長、詰め込むスピード、密度、添加物の使用有無、取り出しかたなどによっても大きく影響を受けます。

pH
pHは牧草の緩衝作用によって変化するが、pHが同じでも含まれる酸の種類は異なる場合がある。 コーンサイレージではpHが4.2を越すことは少ない が、そうなるのは水分含量が低すぎること(DMが42%以上)、刈り遅れ、干ばつなどの原因が考えられる。通常のpHは3.8程度のため、重曹などをコー ンサイレージに混ぜサイレージの酸度を落とすことにより採食量を増やすことができる。豆科牧草のサイレージは乾物割合が30%以下の場合クロストリディウ ムの発酵が起り、逆に乾物割合が45-50%を越えると発酵が妨げられたりしてりpHが4.6-4.8以上になることがある。クロストリディウムの発酵に よる高いpH は望ましいものではないが、発酵が制限された場合の高pHは必ずしも悪いと言うわけではない。しかし、この場合取り出してから空気に触れると安定性が悪 い。 その他の高pHの原因は、1)発酵が完了する前のサンプルの採取、2)サイレージ調整時の低温、3)詰め込みのスピードの遅さ、4)パッキングの悪 さ、5)灰分の異常に多い豆科牧草(15%DM以上)、6)高いCP(23-24%DM以上)、7)過剰なアンモニアまたは尿素、8)クロストリディウム のサイレージ、9)変敗またはかびたサイレージ、10)糞尿に汚染されたサイレージなどがある。
 

発酵したサイレージの正常値 (乾物あたり)
項目 豆科牧草サイレージ 
30-40%DM
豆科牧草サイレージ 
45-55%DM
イネ科牧草サイレージ 
30-35%DM
コーンサイレージ 
30-40%DM
ハイモイスチャーコーン 
70-75%DM 
pH 4.3-4.7 4.7-5.0 4.3-4.7 3.7-4.2 4.0-4.5
乳酸% 7-8 2-4 6-10 4-7 0.5-2.0
酢酸% 2-3 0.5-2 1-3 1-3 <0.5
プロピオン酸% <0.5 <0.1 <0.1 <0.1 <0.1
酪酸% <0.5 0 0.5-1 0 0
エタノール 0.2-1.0 0.5 0.5-1.0 1-3 0.2-2.0
アンモニア態N、%CP 10-15 <12 8-12 5-7 <10
乳酸
乳酸はサイレージにとってよいものであり、他の酸より多いのが普通である。乳酸は他の種類の酸に比べて酸度が強いので、サイレージのpH低下に果たす役割 は大きい。また、乳酸を産生する発酵は乾物やエネルギーのロスが少ない。 乳酸が低い原因としては 1)水分が少なすぎて発酵が制限されたサイレージ、 2)低い気温でのサイレージの詰め込み、3)空気に触れた後でのサイレージのサンプリング(乳酸が分解される)、4)クロストリディウムの発酵で酪酸が増 えたサイレージ などがあるが、通常はサイレージ中の酸の65-70%が乳酸であるべきである。

酢酸
水分含量は非常に多いサイレージ(乾物が25%以下)で、緩衝作用が強く発酵が長引いた場合、パッキングが不適切な場合、詰め込みスピードが遅い場合など は酢酸の量が増加する(3-4%以上)。このようなサイレージは乾物とエネルギーの保持率は通常より低い。 アンモニア処理サイレージはアンモニアにより pH低下が妨げられるので酢酸の割合が増加する。取り出し後のサイレージの安定性を高めるようにデザインされた新タイプのサイレージ添加剤 (Lactobacillus Buchneri)を使用した場合も酢酸の量は増加する。 しかし、この場合はサイレージの発酵が悪い訳ではなく、また、酢酸が多くても採食量が低下する事はない。 

ある報告ではサイレージ中の酢酸含量が高い場合(4-6%以上)、採食量が低下するとの報告があるが、必ずしもそうとは限らない。その他の発酵品質 に問題があると考えられる。 もし、酢酸含量が高く(5-6%以上)採食量が低下した場合、まず、サイレージの給与量を減らし、サイレージを1日置いて酢 酸を蒸発させたものを2-3週間かけて徐々に増加させていくのが良い。 また、サイレージに重曹(0.5-1%DM)を添加し、酸度を低下させ給与するの も良い。

プロピオン酸
サイレージの水分含量がよほど高くない限り(水分75%以上)、プロピオン酸の含有量は非常に少ない(0.2-0.3%以下)。 通常の場合(35- 45%DM)プロピオン酸はほとんど検出されない。 プロピオン酸を産生するバクテリアを含む添加剤もあるが、試験の結果ではこれらのバクテリアはサイ レージの環境下では生存できないことが示されている。プロピオン酸そのもののほうがより有効である。もし35%DMのサイレージ現物1トンあたりプロピオ ン酸を1-2%添加したら、乾物あたりのプロピオン酸濃度は0.15-0.3%となる。

酪酸
酪酸の濃度が0.5%を越えるとクロストロディウムの発酵を示しており、もっとも品質が悪いサイレージとなる。酪酸の高いサイレージは通常栄養価は低く、 ADF, NDFは高い。また、可溶性の蛋白が増加していることが多く、牛にとってよくないアミンと言われる小さな蛋白物質を含むことがある。 このようなサイレー ジを給与した場合、ケトーシスになり易くなる。できればこのようなサイレージは使用しない。

アンモニア
アンモニアレベルがCPの12-15%を越えると、サイロの中での蛋白分解が起こっていることを示す。 水分含量が多いサイレージはその傾向が強く、詰め 込み時に踏圧不足であったり、詰めるのに時間がかかりすぎたりした場合も同様な傾向がある。もし、アンモニアレベルが高いことがルーメン内での可溶性蛋白 を増加させるとすると、乳量低下や繁殖障害を引き起こす可能性がる。乳中、血中の尿素態窒素が高いことは分解性蛋白が多いことを示している。 また、アン モニアレベルが高く、酪酸濃度が高い場合アミンのような牛にとってよくな物質が含まれることが多いので牛にとってはよくない。

エタノール
エタノールはイースト菌による過度の発酵を示している。この場合の乾物の保持率は最も悪く、給与した場合はより好ましくない結果になる。 エタノール濃度 が非常に高い場合(3-4%以上)は牛乳のフレーバに影響を与える。

サンプリング
分析に用いるサンプルはサイレージの給与時期に、空気に触れない部分(20−25cm奥)から採取し、空気に触れないように保存し、できるだけ早く分析す る。できればサンプル採取後すぐに凍結し、クーラに氷を入れて低温で輸送する。 サイレージ添加剤の効果があったかどうかはサイレージの分析結果からは明 らかにならない。ただ、プロピオン酸の添加に関しては適切に添加されたかどうか知ることができる。

(Hoads Dairyman, September 25)

赤クローバのサイレージのすす め



赤クローバーのサイレージはアルファルファに比べてよい。通常のアルファルファのサイレージの蛋白の半分は分解されてNPNとなっており、通常の蛋白より 利用効率は劣る。しかし、赤クローバはポリフェノールオキシダーゼという酵素の働きで、収穫後の蛋白の分解がアルファルファの60%程度に抑えられる。実 際の飼養試験では飼料効率が10%向上し、エネルギー価も10%高かった。乾物、繊維の消化率も蛋白の利用効率とともに高まった。赤クローバは酸性土壌で はアルファルファより良く育ち、種も安い。品種の改良により昔よりも育て易くなっており、2000年の夏に発売された新しい赤クローバは古いタイプのもの よりも12-15ヶ月長く持つ。
(WesternDairyBusiness October, 2001)

コーンサイレージを刈り取る前に知っておくとよいこと


コーンサイレージを収穫する際の成熟度、カーネルプロセッシング、切断長、地上からどれぐらいの長さで切る かなどについて多くの資料が整っている。これらのデータはMILK 2000のExcel Spreadsheet に載せており、評価する時に利用できる( スして Click Nutrition, Click Spreadsheet, Click MILK2000) 

コーンサイレージの乾物生産量にコーンサイレージ乾物1トンあたりの牛乳生産量を掛けた数字で、単位 面積あたりの乳量を比較することができる。この方法で、コーンサイレージの品質と収量を1つの数字で表すことができる。乳代を$12/100ポンドとす る。

収穫するタイミング
この方式を用いて収穫するタイミングとしてもっとも適切と考えられるのは乾物割合が30−35%の時で(ミ ルクラインが1/2)、サイレージの品質もよいと考えられる。ただし、乾物とミルクラインの関係は非常にバラツキが大きいため、まず、ミルクラインを見 て、ミルクラインが見えるようになった時、乾物率を測定するのが良い。収穫の時期はあくまでも全植物体の乾物率で決めるべきである。タワーサイロの場合も う少し乾燥しているほうが良いといわれているが、40%以上の場合、繊維の減少とでんぷん室の消化率の低下から、乳量の減少を示すことが研究の結果からわ かっている。よって、そのような場合は細かく切断するか、カーネルプロセッサーを使用することが推奨される。
 

表1. 収穫の時期が単位面積あたりの乳量に及ぼす影響(推定)
乾物 % 乳量(Kg)/サイレージ(t DM) 乳代$/サイレージ(t DM) 乳量(Kg)/反 乳代$/反
25 1501 441 2439 645
30 1558 458 2727 721
35 1601 471 3002 794
40 1416 417 2655 702
45 1347 396 2358 624
カーネルプロセッシング
カーネルプロセッシングが乳生産に及ぼす影響については乾物が40%のコーンサイレージを元に計算した。押 しつぶす隙間は1−3mmが推奨されるが、ポイントはすべての子実とコブがつぶされているかで、状況によりそのクリアランスを調整する必要がある(水分含 量が多い場合は間隔を3mmに、少ない場合は1mmに近くする)。切断長については0.95CMが一般的であるが、水分含量によって0.6CMから 1.3CMの間で調整する。ミルクラインが1/2を越えている時、または乾物率が35%を越える時は切断長を短くする。また、機能性繊維のことも考慮に入 れて、ペンステートのふるいで20%がトップスクリーンに残ることが望ましい。
 
表2. カーネルプロセッシングの程度が単位面積あたりの乳量に及ぼす影響(推定)
カーネルプロセッシングの程度 乳量(Kg)/サイレージ(t DM) 乳代$/サイレージ(t DM) 乳量(Kg)/反 乳代$/反
なし 1447 383 2280 603
中程度 1500 397 2363 625
良くつぶされている 1552 411 2445 647
刈り取るときの高さ
刈り取る時の高さを35cmと高くすれば、リグニンの多い部分が残されるため、NDF と ADF がそれぞれ7%、4%低くなり、消化率も向上する。収量はもちろん低下するがその低下は5-8%となる。刈り取りを45cmにした時、100頭の 乳牛の1年間の経済効果はサイレージ乾物1t あたりの乳代で$9000、1反あたりの乳代で$3000となる。
 
表1. 刈り取りの高さが乳量に及ぼす影響(推定)
刈り取りの高さ 乳量(Kg)/サイレージ(t DM) 乳代$/サイレージ(t DM) 乳量(Kg)/反 乳代$/反
15cm 1549 410 2440 646
45cm 1700 450 2523 668
(Hoads Dairyman August 25, 2001)
 

サイレージが悪くなる原因



サイレージは乳酸菌が植物中の糖分を発酵させ、生産された乳酸がサイレージのpHを急激に下げ、雑菌の繁殖 を抑制し安定した状態にしたものであるが、このメカニズムに異常が生じると様々な問題が生じる。その原因はいろいろあるが、その時々の注意点と問題のある サイレージの識別とその原因を示す。

刈り取り時:
切断長(カッターの歯の切れ具合も影響)、水分含量(刈り取りの時期、刈り取りの日の天気、霜、植物の成長 度合いによって異なる)、利用できる糖分量が適切な値であること。適切な値はこれらのバランスによって異なる。

詰め込み時:
踏圧を十分かけ、酸素をできるだけ排除してすばやく密閉する。糖分がすくなければサイレージの添加剤が有効 な場合がある。原料草の搬入スピード、積み重ねる層の厚さ、サイロの深さ、踏圧するトラクターの重さと数によって、適切な条件で詰め込めるサイレージの量 が決まる。

開封給与時:
良い品質を保つためには、15CM以上は使用しなくてはならない(サイレージを取り出す断面の表面積とサイ レージの使用量の関係が重要)。また、サイレージが空気に触れる面積を最小限にするため、表面は地面に対して直角にし、できるだけスムーズに馴らす。 

採食量に変化がないかは常に注意して観察する。 また、サイレージが熱を持っていないか、pH(コー ンサイレージ:3.8-4.2、ヘイレージ:4.0-4.8)に異常がないかなどもモニターする。 
おかしな部分は取り除いて廃棄する。

問題のあるサイレージの色、匂い、及びその原因、
 


匂い 原因
酢酸臭(すっぱい匂い) 黄色っぽい 酢酸の過剰(Bacillus)
アルコール臭 正常 エタノール(イースト菌)
きつい甘い匂い 正常 プロピオン酸の過剰
腐敗したバター/ミルクの匂い おかしな緑色 酪酸発酵(Clostridium)
キャラメル/タバコの匂い 茶/黒褐色 ヒートダメージ(高水分)
(Dairy Today September 2001)


サイレージ原料草の水分含量の測定方法



コーンサイレージの刈り取り時期の決定には水分含量および子実の成熟度が重要な指標となります。一般的には ミルクラインが1/2から1/3の時に刈り取りを開始し、ミルクラインが2/3の時に終了するのが良いとされています。刈り取りにはこのミルクラインだけ が指標として使用される場合が多いようですが、水分含量も品質の良いサイレージを作るためには重要なポイントとなります。適切な水分含量はサイロの形態に よりますが、一般的にはバンカーサイロ、スタックサイロでは水分が多少高め、タワーサイロでは多少低めとなります。理想的な原料草全体の水分含量は65% -68%です。

刈り取り時期を決定するために原料草の水分含量を測定する時は、圃場の中央部の3-5本をサンプルと して採り、これを裁断したあと100g程度を分析サンプルとして用います。水分含量の分析にはKoster-testerという機械を使うか電子レンジを 使う方法がありますが、ここでは電子レンジを用いた方法をご紹介します。通常では8-20分で測定は終了できます。

  1. 100g程度のサンプルを紙製の皿にのせ、重さをきっちり測定する(皿の重さをひいたサンプル重量のみ)。
  2. サンプルを皿の上に満遍なく広げ、電子レンジの中に入れる。その際、サンプルの発火を防ぐため、200ccぐらいのコップに水を3/4程度入 れたものを電 子レンジの後ろ側に置いておく。
  3. とりあえずハイパワーで3分間加熱する。
  4. いったんサンプルを電子レンジから取り出し、重量を測定する。良くかき混ぜて、再度、電子レンジに入れ、1分間加熱する。これを2回ほど繰り 返す。
  5. 乾燥してきたら、発火するのを防ぐため、この間隔を30秒にし、繰り返す。
  6. 前回からの重量の変化が1g以下になった時の重量を乾物重量とする。
  7. この間物重量を初めの重量から差し引いた重量が水分重量で、この水分重量を元の重さで割って水分含量が求められる。
  8. 1試料に付き2回測定を行い、その平均を取る。
(Mycogen Seeds、Fall, 2001の技術資料から引用)


硫酸銅の脚浴は土壌汚染につながる



硫酸銅の脚浴は最近多く行われるようになっているが、それが糞尿の中に混ざり、土地に撒かれた場合、土壌の銅の含量が飛躍的に増大し、そこから取れる作物 の銅の含有量も増加する。粗飼料は通常過剰な銅を吸収しないが(コーンサイレージは豆科や稲科の牧草より銅の吸収量は少ない)、羊では銅の含量が 20ppmの粗飼料で中毒症状を起こす事が知られている。メリーランド州の粗飼料分析センターでのデータではコーンサイレージの銅の含量は平均で7ppm で20ppmを越えるサンプルは全体の1%以下であり,牧草では平均で10ppmで20ppmを越えるサンプルは同様に1%以下であった。ただ、中には 30ppmを越えるサンプルも存在し、粗飼料中の銅の平均濃度も最近になって増加傾向にあることから今後注意が必要である。(Hoads Dairyman, July 2001)


高い粗飼料の使用量を少なくするために



今年は粗飼料の価格が高くなっていますが、この影響を少なくするためには乳牛の健康を損なうことなしに乳量を維持し、使用する粗飼料を最低限に抑える必要 があります。そのための方法についての記事を紹介します。(Mr. R. Norell, Extension Dairy Specialist, University of Idaho, The Progressive Dairyman August 2001)
  • 飼料やマネージメントを変更した際に、牛群ごとの乳量のチェックをできる体制をとっておく。

  •  
  • 粗飼料の分析(DM, NDF, ADF,CP, Ca, P)は必ず行い、その粗飼料の特徴をよく把握し飼料計算時に考慮する。

  •  
  • 粗飼料の在庫量と必要量を把握し、購入しなくてはいけない粗飼料の量を常に把握しておく。

  •  
  • 粗飼料の購入は余裕を持って、計画的に行う。業者と密に情報をとり、適切な価格で買えるように努力する。

  •  
  • 粗飼料の無駄を省く(通常8-10%、多い場合は20-25%は無駄にしている)
    • 残飼の活用方法を考える(乾乳牛に持っていくとか)。
    • 粗飼料は切断してから給与する。
    • 飼料の給与回数を増加させる
    • 選び食いをさせないようなTMRにする。

    •  
  • 最低限の粗飼料ですむ飼料を設計する。
    • 乳牛での粗飼料の最低要求量は次の3つの推奨がある。
      • 体重の1.4%の粗飼料(DM)を給与する。
      • 飼料中35-40%DMの粗飼料を給与する。
      • 飼料中のNDFの19-20%は粗飼料由来のものであること。
    • これらの最低要求量を満たしていることを確認し、NFCレベルは38%を越えないようにする。NFCの発酵スピードも考慮する
    • TMRにする。
    • 重曹などのバッファーを給与する。
    • 代替の繊維飼料を使用する。
      • これらの飼料の機能性繊維は長い乾草の30-50%程度であることに注意すること
      • 代替繊維飼料 1日最大給与量 
        (Kg/頭/日)
        ルーサンペレット 4.5
        アーモンドハル 2.3
        ビートパルプ 2.7
        コーングルテンフィード 5.4
        綿実粕 2.3
        乾燥ビール粕 4.1
        乾燥ウィスキー粕 4.1
        大豆皮 4.5
        ふすま 3.6
        綿実 3.2
  • 粗飼料を給与する優先順位を決める
    • 品質の良い粗飼料は高泌乳牛群に給与する。
    • 泌乳中、後期の乳牛、乾乳牛には品質の悪い粗飼料を給与する。
    • 生後6ヶ月までの子牛はコンプリートスターターを給与していれば乾草を必要としない。

    •  
  • 生産性の低い牛は淘汰する
    • 飼料が高いときには、生産効率の低い牛(低泌乳牛、乳房炎牛)は淘汰する方が良い。

乾草を分析に出す時は15-20箇所のサンプルを取る。


乾草の分析をする時には1ロットに付き15-20のサンプリングをすること。数箇所のサンプリングではその乾草のロット全体の平均を表しているとはいえな い。サンプリングには電動のサンプリング器(直径2−3cmの細長いステンレスの棒に電動のドリルがついたもの)を用い、ベールの表面から内部に向かっ て、または上からそこに向けて突き刺して行う。また、長期間保存した乾草ベールでは表面の変色した部分は除いてサンプルを取る。サンプルは同じロットの乾 草のいろいろな場所のベールから15-20箇所採取し、全部で400-500g取ること。水分含量の観点から、サンプルは密封できるビニール袋が良い。同 じロットの乾草の20点のサンプルを取り比較した結果、CPで18.2-22.4%、NDFで33.7-54.1%、ADFで28.6-36.9%の差が あったが、これら20点のサンプルを混ぜた試料の分析値は20点の分析値の平均に近い値となっている(Mike Dunn, Minnesota Univ.)。
 
Bale No. DM(%) CP(%) ADF(%) NDF(%)









10 
11 
12 
13 
14 
15 
16 
17 
18 
19 
20
87.9 
86.7 
86.6 
87.3 
88.4 
87.1 
85.9 
88.0 
85.6 
85.5 
87.4 
86.9 
86.4 
86.2 
88.0 
84.7 
86.8 
89.9 
85.2 
87.8
18.2 
18.4 
18.4 
18.9 
19.8 
19.8 
20.3 
20.3 
20.3 
20.4 
20.5 
20.5 
20.8 
20.8 
21.2 
21.3 
21.4 
21.5 
21.9 
22.4
35.3 
35.8 
36.1 
32.5 
31.4 
32.7 
32.7 
31.5 
36.9 
32.1 
32.0 
32.5 
31.5 
33.4 
30.3 
31.4 
29.3 
28.6 
32.1 
29.4
44.6 
48.7 
44.3 
39.0 
38.3 
41.5 
40.0 
38.5 
54.1 
40.6 
39.2 
39.1 
41.2 
42.0 
35.7 
38.5 
33.9 
33.7 
40.3 
37.0
Min 84.7 17.2 28.6 33.7
Max 89.9 22.4 36.9 54.1
分析値の平均 
(N=20)
86.9 20.4 32.4 40.5
サンプル混合品の分析値 88.1 20.7 31.5 40.7
コー ンサイレージの品質を良くするにはカッターのバーを高くする。


コーンサイレージの刈り取りの高さを高くすることは収量を減らすことになるが、繊維の消化率を向上させ、乾物あたりの糖、脂質、でんぷん含量が増加するこ とによりエネルギー価が向上し、乳量を増加させる。 また、より多くの部分を刈り残すことで、土壌の改善にも役立つ。 刈り取る高さを50cmとした時、 通常の10cmに比べて、1エーカーあたり約3トン(30%DM換算)収量は減少するが、繊維の消化率で1.5%、乾物の消化率で2.2%、でんぷん含量 で9.5%、TDNで約2%増加する。 刈り取る高さが50cmでなくても、20cm以上であれば、品質の改善は顕著にある。また、刈り取りの高さが高く なると、乾物率が高くなる傾向がある(下部の茎の部分は水分含量が多いため)。このことはコーンサイレージの水分含量の調整にも利用できる技術であり、収 穫時期をより広く考えることができる。(Midwest Dairy Business, July 2001)
 


サイレージの乾物量の変化



同じサイロのサイレージでも日ごとに水分含量(本文では乾物含量)は大きく変化する。ペンシルバニア州立大学で過去4 年間にわたって毎週サイレージの乾物割合を調べた結果をグラフに示す。同じサイレージでも取り出し時期によってこれだけ大きな変化があれば(最大で25% も違う!)、サイレージの乾物量の分析をシーズンに数回しかしない場合などは、いくら完璧な飼料計算をして、そのまま忠実に飼料を調整しても、栄養の過不 足がでることが容易に推測される。よって、できれば1週間おきに飼料調整時に現場でサイレージの水分含量を測定し、それに基づいて飼料の調整量を変化させ る必要がある。パソコンのエクセルのスプレッドシートなどを用いてあらかじめ換算表を作成しておくと便利である。水分含量の測定は電子レンジとはかりがあ ればOKで6-8つのサンプルを45分程度で測定することができる。実際の乳生産の安定性を考えると、水分含量の測定の手間とコストは十分見返りがある。  (Hoar'd Dairyman, 2001年5月10日号)
 
 
 
 
 
 

最高のコンサイレージを作る ために




どの品種を選ぶか
  1. デントコーンに関する十分な資料をメーカー、大学などから集める。
  2. 気候に応じた品種を選択する(倒伏のし易さ、干ばつに対する抵抗性、対病性など)。
  3. デントコーンの成熟度が自分の作業、収穫体系(気候)にあっているものを選択する。ホール クロップサイレージにするか、ハイモイスチャーコーンで収穫するかで違うし、霜が降りる季節が早い地区では早熟のものにする必要があるし、1人で作業する 場合、成熟度が異なる種子をまいておくと、時間がかかっても同じ成熟ステージで刈り取ることができる。
  4. どのようなサイレージが必要なのかと使用できる畑の面積を考慮して選択する。組み合わす他 の飼料原料の特色から、収穫したサイレージの栄養価がどういうタイプのものが必要なのか、また、他の飼料作物との関係でコーンサイレージに使用する畑をど れだけ確保しなくてはならないかを考慮する。
  5. 単位面積あたりの収量がどうなるかを考慮する。 収量を比較するには水分含量の佐賀2%以 下であることを確認して比較すること。
  6. できたコーンサイレージの栄養価がどのようなものかを考慮する。繊維からのエネルギーとで んぷんから来るエネルギーとどのような割合になるのか、特に繊維のエネルギーは繊維の消化性が大きく影響する。消化可能NDF(dNDF= Digestible NDF)が1%高くなると、乾物摂取量で約150g/日/頭増加し、乳量で約150g/日/頭増加することになる。このdNDFの測定にはルーメンジュー スを用いて試験管内で行われるが、その培養時間(24,30または48時間)によって数字が異なるので比較する場合は気をつけること。
  7. 収量と栄養成分を総合的に評価して品種を選定する。
コーンの品種による各部位の乾物割合(%DM)

通常のデントコーン Waxy BMR 
ブラウンミッドリブ
High-Oil 
ハイオイル
Leafy 
リーフィー
子実(Grain) 53.4 54.13 52.5 51.14 45.65
コブ(Cob) 7.65 6.24 5.96 6.65 7.91
房の部分(Tassel) 0.69 0.81 0.97 0.73 0.57
葉のさや部分(Leaf Sheath) 4.85 4.73 5.77 12.73 7.31
葉(Leaves) 10.93 11.05 12.19 9.64 12.69
茎(Stalk) 17.49 18.31 17.14 14.53 18.93
とうもろこしの皮(Husks) 4.91 4.73 5.47 4.57 6.94
品種の解説
コーン中のグルコース鎖を変化させ、でんぷんの消化率を高めた品種。しかし、 収量が3.5%低下する。給与試験では豚などの単胃動物でしかそのメリットは認められていない。種子の価格は通常のハイブリッド並。 リグニン含量が少なく、茎の部分の消化性にすぐれた品種。全体の繊維の消化率 は8−15%高い。しかし、収量は15%ほど低下する。乾物摂取量が制限される移行期の牛や高泌乳牛には有効であるが、種子の価格が通常のハイブリッドよ り70%高い。 実の部分に通常のコーンより3-4%(含量で6-8%)多くの油を含み、エネ ルギー含量が高いことが特徴の品種。サイレージの収量のデータが少ないため実かハイモイスチャーコーンとして使用することを推奨。種子の価格が通常のハイ ブリッドより$10-30高い。 葉の部分が多い品種(実のなる部分より上の葉)。葉の多い分、繊維の消化率が 2-4%高くなり、乳量も1-5ポンド増加するとの報告あり。でんぷん量はやや低下する。種子の価格は通常のハイブリッド並。副産物を穀類の変わりに多く 使用する場合はメリットがあるかも。
サイレージの収穫時期

良い品質のコーンサイレージを作るためにはいつ刈り取るかが非常に重要である。特に水分含量はサイレージの発酵品質に影響が大きい。

  1. サンプルを集める。 各フィールドから10本程度のサンプルをとる。土の水分含量、気温、品種、天候、播種日、成熟日数などによって枯れるあ がる割合 (Dry-down rate)が異なる。
  2. サンプルを切断する。 細かくすればするほど正確な値がでる。
  3. 切断したサンプルの水分含量を測定する。 切断したサンプルをよく混合し、水分を測定する。農場での水分測定は完全ではないので、始めは分析 センターにも サンプルを送り、農場で使用する機械の水分測定値とどの程度差がでるかを把握しておく。
  4. 収穫時期を予測する。 水分含量から収穫予定日を推測する。どの水分含量で収穫するかはサイロの型、サンプルの水分含量のばらつき、刈り取り に要する期間 によって変化する。 1日あたり0.5%の水分含量が低下すると考えると、現状の水分含量から最適な水分含量になるまで何日かかるかを計算し、収穫日を予 測する。例えば、目標の水分含量が68%で現在の水分含量が71%であったとすると (71%−68%)/0.5=6 となり、6日後が収穫時期となる。
サイロの型による原料草収穫時の推奨水分含量(%)

バンカーサイロ 
(Bunker)
タワーサイロ? 
(Stave)
気密型サイロ 
(Sealed)
バッグ型サイロ 
(Bagged)
バレージサイロ( 
Balage)
プロセス(Processed) 65-68 63-68 50-60 63-68
無処理(Un Processed) 67-72 63-68 50-60 63-68 45-60
過去4年のウィスコンシン州の地域別のコーンサイレージの枯れあがり割合(Dry-downRate:%水分/日)
地域 1997年 1998年 1999年 2000年
Dodge - 0.67 - 0.6
Fond du Lac - - 0.76 0.56
Jefferson 0.55 0.67 0.97 -
Manitowoc 0.6 0.55 0.78 0.68
Shawano - - 0.61 0.46
Waukesa 0.61 0.87 - -
(DairyHerd Management 2001年4月号)
 


アルファルファを刈り取るのは午前がよいか午後がよいか(サイレージの場合)



午後に刈り取ったアルファルファの方が糖分含量が高いため、品質はよいということは以前に報告されている が,これらの研究は乾草をの場合がほとんどだった。そこでウィリアムマイナー研究所ではサイレージにした場合の影響を調査した。その結果、午前と午後で糖 分、でんぷん、NDF、NDFの消化率には差は認められなかった。しかし、次のような傾向が認められた。(Dairy Herd Management 3月号)
  • 夕方3-4時に刈った場合、朝7-8時に刈ったものより糖分、でんぷんがが若干多かった。 しかし、その差は水分含量が60%になった時点でなくなった。
  • 朝に刈ったものは9時間以内にサイロに詰め込みが可能であるが、夕方刈ったものは翌日の昼 以降にしか詰め込めないことになる。しかし、この時間の差はサイレージの品質に影響を与えない。

  • 以上のことから午前に刈っても午後に刈っても、ミニサイロに詰め込む限りではサイレージの品質に大きな 差は認められなかった。

品質の悪い粗飼料をどのように使用するか


雨が多かったり、暖かかったりすると繊維質(NDF,ADF)が多くなり、繊維の消化率が低下します。ADFは繊維のなかでも消化しにくい繊維で、ADF は粗飼料のエネルギーを推定するために使われます。つまり、ADFが高いとエネルギーが低いということになります。NDFは繊維の体積を現し、乾物摂取量 を制限する要因となります。つまりNDFの高い飼料はたくさん食べられないということになります。コンサルタントは粗飼料からくるNDFのレベルのバラン スを取りますが、これは粗飼料のNDF含量が高い時はその分粗飼料の量を減らして、濃厚飼料を増やさないと、摂取できるエネルギー量が低下するからです。  最近になってコンサルタントはNDFの消化率に興味を持ってきました。NDFの消化率とはルーメンのなかでどれだけおNDFが消化されるかということ で、ミシガン州立大学の試験ではNDFの消化率が1%上がれば乾物摂取量が0.37ポンド(0.17Kg)、乳量が0.55ポンド(0.25Kg)増加し たと報告しています。NDFとADFが同じ粗飼料でも、NDFの消化率が異なるとこのような違いがでてきます。NDFの消化率の測定方法には試験管内に粉 砕したサンプルとルーメンジュースをいれて培養し、消化した量を測定する方法や粉砕したサンプルをナイロンバッグに入れ、実際の牛のルーメン入れて培養後 取り出して消化した量を測定する方法などがありますが、試験管内の消化試験では50%以上、ナイロンバックによる方法では30%以上の消化率は良いとみな されます。実際の現場では粗飼料の割合が同じでも、飼料の食い込み落ち、乳量が低下した場合、粗飼料中のNDF含量が増加したか、NDFの消化率が低下し たか、その両方が原因ということになります。このような場合には粗飼料から来るNDFレベルを推奨値に戻すこと、すなわち粗飼料の割合を少し減らして、濃 厚飼料の量を増加させることで、乳量を元のレベルに戻すことできます。この場合2-3週間続けて観察し、経済的に見合っているかを見極めてください。しか し、粗飼料中のNDF含量が非常に高く、消化率が低い場合は、粗飼料NDFをさらに減らしてエネルギーを増やさなくてはいけないため、でんぷんや糖の増給 によるアシドーシスが起こる確立が高くなります。このような場合には4-5時間でルーメン内で消化される可溶性の繊維(ペクチン、グルカン)を多く含む ビートパルプやシトラスパルプを穀類の変わりに与えることで飼料全体のエネルギー含量をそう落とさずにアシドーシスを防ぐことができます。一般的に品質の 悪い粗飼料を使用する場合、まず、でんぷん、糖の含量を30-32%にし、粗飼料のうち3-5ポンドを、ビートパルプやシトラスパルプで置き換えます。粗 飼料が限られている場合はそれ以上の給与も可能です。しかし、これらの飼料原料は機能性繊維としての役割が低いため、粗飼料の15%が3.75cm以上あ ること、飼料給与後4-5時間で牛群の50-60%の牛が反芻していることなどを確認しなくてはいけません。(Hoad's Dairyman 1/10)


プロセスコーンサイレージを最大限に生かすには。



コーンサイレージをプロセスすることによりコーンの子実の糞中への排泄量を減らし乳量を1日1頭あたり1- 2ポンド増やすことができる。後になって研究者は切断長とコーンの成熟度にも注目するようになり、これらの2つの要因は乳生産に大きな影響を及ぼすことが 明らかになっている。切断長は0.75インチ(1.875cm)ぐらいが乾物摂取量と乳量を増加させるが、0.375インチ(0.9375cm)以下では ルーメンの健康に悪影響を及ぼす。また、0.75インチより長い場合も良いというデータは出ていない。また、。コーンの成熟度に関しては成熟が進むに連れ て(2/3ミルクライン-ブラックレイヤー)消化性は低下するが、プロセスは逆に消化性を向上させる。例えば2/3ミルクラインのコーンサイレージではプ ロセスしていないもので95.6%の消化率であるのに対し、プロセスしたものでは98.1%となった。最適な成熟度はミルクレーヤーが1/2から2/3の ときである。(Dairy Herd Management, Oct 2000)
 


プロセスコーンサイレージのサイレージジュースは多い



ワシントン州立大の報告によるとプロセスコーンサイレージはしていないものに比べて、水分が多く排泄され る。23%のDMで刈り取ったサイレージで、プロセスコーンサイレージでは2000ポンドあたり148.61ポンドの水分が出たが、していないものは 92.66ポンドであった。よって、プロセスコーンサイレージを使用する場合、水分の多い部分を早めに給与するか、サイレージジュースを抜くシステムをサ イロに作らなくてはならない。(Dairy Herd Management, Oct 2000)


サイレージのマネージメント
Silage Management-Current Topics; L.E. Chase and W.C. Stone, Cornell University



サイレージのマネージメントについてDr.Chaseが基本的なことについて Dr.Stoneが現場でのケーススタディについての話をしました。サイ レージの品質は乾物摂取量に影響を及ぼし、飼料効率、乳量に影響を与える。良いサイレージを与えるためには、調整するときにはすばやく詰め込み、きっちり と踏み固めて密閉し、取り出し時には必要最低量だけを削り取り、その表面はきれいにするなどの管理が必要で、これらのことが品質に大きな影響を与えます。 ここではサイレージの発酵について基本的なことを書きましたので、サイレージに対する理解を深めてください。

サイレージの発酵
サイレージの発酵菌は主に2つに分けられ、一つはホモファーメンタティブと呼ばれ、糖を材料として糖1モルに対し乳酸2モルを産生するもの、もう1つはヘ テロファーメンタティブと呼ばれ糖を材料とし、乳酸のほかに多くの酢酸、マンニトール、エタノール、二酸化炭素を生成します。サイレージ発酵には前者が望 ましく、後者の場合エネルギーと乾物のロスが大きくなります。 サイレージは次のような過程で発酵し安定します。

1.好気性発酵期:


始めはこれからスタートします。このステージでは植物の呼吸と蛋白分解が行なわれ、呼吸により植物中に含まれる糖は二酸化炭素、 熱、水に変わる。同時に蛋白が分解し、アミノ酸、アンモニア、その他のNPNに変えられます。この時期、好気性菌によって酢酸も生産されます。よって、良 いサイレージを作るためにはこの時期をできるだけ短時間に済ませることが必要で、そのためにはすばやく詰め込み、密閉し、嫌気的な状況を作り出す必要があ ります。この時期が長くなると植物中の糖が分解されるため、取り出したサイレージには酢酸が多くなります。
2.嫌気性発酵期:
好気性菌が酸素を使い果たして、嫌気性条件になると、乳酸産生菌が増殖し始めます。そうなると乳酸の生産量が増加し、pHが低下 し始めます。この発酵の期間は植物体内の利用できる糖の量と乳酸産生菌の数、乾物の量に影響されます。発酵は糖分の消失とpHが4−4.4になることによ り止まります。
サイレージの発酵品質
これらの発酵の違いによりサイレージの成分は次のような差がでます。データはイングランドとウェールズのものですがアンモニア態窒素、乳酸、そして酢酸に 大きなバラツキが出ています。また、米国北東部のサイレージ分析結果から得られたデータによると、豆科牧草、イネ科牧草、ハイモイスチャーコーンではサイ レージの乾物%が多くなるとVFA、アンモニア態N、酢酸、酪酸が減少する傾向が認められました。 (a: Haigh, 1995; 64 samples,  b: Haigh, 1995; 2157 samples)
 

コーンサイレージa
グラスサイレージb

平均 S.D. 平均 S.D.
DM % 28.1 7.1 21.5 5.9
pH 3.9 0.33 4.25 0.54
アンモニアN、g・KgN  65 19 114 96
NDF,%DM 52.4 5.3
CP,%DM 9.3 1.6 15.6 2.7
乳酸、%DM 5.25 2.28 5.5 3.3
酢酸、%DM 1.69 1.1 2.57 1.49
酪酸、%DM 1.06 1.58
でんぷん、%DM 24.6 11.6
サイレージ中の蛋白の形態について
発酵により植物中の蛋白は分解されアミノ酸、アンモニア、NPNになりますが,発酵の環境によりその程度は異なります。
  • pHは低くなれば蛋白分解量は少なくなる。
  • 温度が高くなると蛋白分解量は増加する。
  • 水分が減少するほど蛋白分解は減少する。
  • 予乾の時間が長くなるほど蛋白分解は増加する。
現物をサイレージにした場合、蛋白の中身は次のように変化します。(Ohshima et al., 1979)

イタリアンライグラス
アルファルファ

フレッシュ サイレージ フレッシュ サイレージ
Total 窒素、%DM 3.37 3.47 4.36 4.59
蛋白態窒素、%DM 86.3 30.8 73.1 26.0
NPN、%DM 13.7 69.2 26.9 74.0
遊離アミノ酸態窒素、%Total窒素 1.68 36.9 2.75 27.8
アミド態窒素、%Total窒素 0.28 - 9.89 0.03
アミン態窒素、%Total窒素 0.14 9.55 0.16 11.4
アンモニア態窒素、%Total窒素 0.21 12.1 0.18 29.2
硝酸態窒素、%Total窒素 1.71 4.85 1.18 0.07
クロストリディウム属細菌の繁殖した際のサイレージ
 クロストリディウム属(胞子を作る嫌気性カン菌;Clostridium)の細菌は土や糞尿の中に存在し、水分量の多い(DM30−32%以 下)サイレージの嫌気的環境で育ちます。よって、この細菌があることはサイレージが土によって汚染されたことを示します。高温、水分含量が多い場合、糖分 が少ない場合、サイレージの緩衝作用が強いとき、生育が活発になります。クロストリディウム属の細菌はサイレージ中の炭水化物と蛋白の代謝に影響します。 この細菌は乳酸を水と二酸化炭素と酪酸に変換します。他のクロストリディウム属の細菌は遊離アミノ酸を水、酢酸、アンモニア、アミンに変換します。クロス トリディウム属細菌の繁殖したサイレージはpHが高く(>5)、アンモニアが高く(>10%TN)、酪酸が多く、悪臭がします。通常、牛の乾物摂取量は低 下し、蛋白の利用性は低下しています。

サイロを取り出した後の安定性
サイロを開けたとき、サイロの表面は空気に触れることになり、イーストその他の細菌が繁殖する環境を作ります。イーストは残存している糖、乳酸、酢酸を二 酸化炭素と水に変換します。この段階では熱を持つので、好気的変敗が始まったことが確認できます。これによりサイレージのエネルギー価は低下し、嗜好性も 低下します。特にコーンサイレージはイネ科や豆科の牧草サイレージに比べて、好気的変敗を起こす危険性が高いです。このような状況を避けるためには、調整 時に必要以上の予乾を避け、すばやくサイロに詰め込み、すばやく密閉し、水分含量を少なくしすぎないことが必要です。また、取り出し時にはすばやく取り出 し、サイレージの削り取る表面をきれいにし、空気に触れる面積を減らすことが必要です。

サイレージの品質と乾物摂取量
一般的に次のようなサイレージは酢酸、酪酸、可溶性のアミンが多くなり乾物摂取量が低下します。

  • クロストリディウム菌の繁殖したサイレージ、
  • 酪酸が多いサイレージ、
  • 酢酸が多いサイレージ? 
  • アンモニア態窒素が多いサイレージ、
  • 極端に高水分または低水分のサイレージ、
  • 繊維含量が多いサイレージ、
  • イーストやカビの入ったサイレージ
ニューヨークのバンカーサイロでよく起こる問題
水分含量が多すぎる(<32−34%DM)豆科牧草や植物中の糖分が少ない場合は発酵がうまくいきません。刈り取るときに、後で集めるのを簡単にしようと して刈り取り後の草を広げないでおくと、乾きが遅くなりその間に草の呼吸量が増加し、糖分が低下します。また、乾燥に時間がかかるとイーストやカビの発生 も増加します。このような状況は初期段階の乳酸発酵を遅らせ、酢酸とかびやイーストの数を増加させます。このことはサイレージをあけたときの持ちを悪くさ せます。また、機能性繊維のことを考えすぎて、極端に長く切断した草をサイロに詰め込んだ場合、十分に踏圧をかけることができず、発酵がうまくいかなくな る場合があります。

問題となるサイレージとその原因

現象 原因
熱いサイレージ(50℃以上) 詰め込みが遅い、酸素の侵入、踏圧不足、イーストとかびの繁殖
暗黒色(焦げくさい匂い) 過度のヒートダメージ、酸素の侵入、低い水分含量、十分密閉されていない
かびの生えたサイレージ 酸素の侵入、踏圧不足、取り出しに長い期間かかる
腐った匂い クロストリディウム菌の繁殖、酪酸が多い、高水分、低糖、乳酸が少ない
すっぱい匂い 酢酸発酵、高水分、低糖、乳酸が少ない
アルコール臭 イーストの繁殖、pHが高い
取り出し後の持ちが悪い(好気条件下での安定性) 取り出しに長い期間かかる、イースト菌やカビが多い、踏圧不足、低糖
腐敗 高水分、切れ味の悪いカッター、過剰量の詰め込み
サイレージ成分の推奨値
分析項目 推奨値
DM,% 30−40
pH 3.7−4.2(コーンサイレージ) 
4.0−4.8(イネ科、豆科牧草サイレージ)
乳酸 6−8%(<35%DM) 
3−4%(>40%DM、予乾したもの) 
>70% Total Acid
酢酸 2%以下
プロピオン酸 1%以下
酪酸 0.1%以下
アンモニア 全窒素中10%以下
保存中のサイレージの温度 気温より8-11℃以上高くない
イーストやカビの胞子の数 10万CFU以下

干ばつ時のコーンサイレージの刈り方



パイオニアハイブレッドインターナショナルのビル マハナ氏は干ばつによるストレスを受けたコーンサイレージを刈るときには次の5つの点について考慮すると良いと言っている。
  • コーンサイレージの詰め込みはスタックやバンカーサイロでは68-72%の水分で、通常のサイロでは62-68%の水分で行なう。
  • 硝酸中毒を避けるため、降雨後1週間以内には刈り取らない。降雨後、コーンは硝酸を多く吸い上げるため。
  • 刈り取りのカッターの高さを10-12インチ(25cm-30cm)にして刈り取ること。なぜなら、低い部分に硝酸が蓄積するため。
  • 干ばつのストレスを受けたコーンサイレージを詰めてから給与するまでには最低21日は待つこと。サイロにすると21日間に硝酸が約50%まで 低下する。も し、乳酸菌のサイレージ添加剤を使用すれば7日で約50%まで低下させられる。
  • (日本では心配ありませんが)コーンサイレージの刈り取った残りの部分を放牧に使用しないこと。硝酸中毒になる可能性がある。(Dairy Herd Management 2000年 9月号)

コーンサイレージを地面からもっと離して刈ってみよう



通常、地面から25cmぐらいで刈り取るところを、50cmぐらいのところで刈ると、根元の部分は栄養価が最も低いところなので、収量は低下するが、エネ ルギー含量の高いコーンサイレージが取れる。パイオニアの試験では根元から10cmで刈るのを50cmにしたところ、収量は11%低下したが、でんぷん含 量は2.7%増加した。これを1t のコーンサイレージを給与した際の推定乳量で比較すると2452ポンドに対し、2464ポンドとなり、194ポンド、 7.9%の増加となった。この差は収量の減少を考慮しても十分利益が残ることを示している。乳価が$12/100ポンドとすると乳代の増加はコーンサイ レージ1トンあたり$23.28(194x12/100=23.28)で、1エ-カ-あたり26トンの収量があればトータル$605.28の増加となる。 収量の減少は2-3トン/エーカーなので、コーンサイレージ1トンあたりの価格を$17とすると、多く見ても$51(3トンx$17)で、その差は歴然で ある。
 
刈り取りの高さ 収量(トン/エーカー、30%DM) ADF (%) でんぷん含量(%) DM1トンのコーンサイレージで絞れる乳量(ポンド)
10cm 29.8 22.1 28.4 2,425
20cm 28.4 21.6 29.3 2,500
50cm 26.6 20.6 31.1 2,646
  
(Dairy Herd Management,June2000)
 

乾草調整時の雨の影響




アルファルファの乾草では刈り取り後1日目に1インチの雨が降った際の乾物量の減少は22%であったと報告している(雨にあたらない場合は6%)。同様に 1.6インチの雨では44%の乾物が減少したと報告されている。この乾物量の減少は可溶性物質の流出、呼吸量の増加、そして葉部分の脱落によるものであ る。可溶性炭水化物の流出は乾物減少の約半分に相当し、動物に利用できる部分を大幅に低下させる。また、このような植物をサイレージにする場合、微生物が 利用できるエネルギーが少ないので、サイレージの発酵品質にも影響を与える。このような場合、サイレージの添加剤や、発酵基質の添加が有効になるかもしれ ない。呼吸は植物内の酵素が可溶性炭水化物を分解することで、雨にあたる、あたらないに関係なく起こる。呼吸は水分含量が30%程度になるまで継続するた め、雨にあたることにより水分含量が高い時間が長時間に及ぶため、可溶性炭水化物の減少も増加する。葉の部分の脱落は、乾燥した後に脱落しやすいこともあ るが、雨にあたった場合、テッダー、レーキなどの使用が増加するため多くなるとも言える。また、一般的には降雨により可溶性の炭水化物が減少するため、乾 物中のNDF,ADFは非常に高くなり、また蛋白質の減少は炭水化物ほどではないため、蛋白含量も高くなる。消化率も6−40%低下する。
乾草を調整する際に、天気のことが気になるが、あたらない場合もあるので、雨に当てた場合の危険度をTableに示したので参考にしてください。
(Hoad's Dairyman June 2000)
 
天気予報で雨の予報が出たとき刈り取りを行う危険度
          危険度が低い   危険度が高い             説明
サイレージにする。 乾草にする。 サイレージにするには予乾の時間が短いため危険は少ない。
刈り取る面積が小さい  大きい 刈り取り面積が多いほど時間がかかるため危険が大きい
刈り取り後すぐの雨 かなり乾いてからの雨 水分含量が多いときの雨のほうが影響は少ない
豆科とイネ科の混播 豆科短播 イネ科の牧草は葉の脱落による影響が少ない。
刈り取りの適機を過ぎてしまった牧草   刈り取り敵機の牧草  ステージが進むほど可溶性の物質量が減少するため影響が少なくなる。
保存剤を使用する   使用しない      水分が多少多い乾草でも問題なくなる。
低品質の乾草を売る市場がある  ない   低品質の粗飼料を要求する市場は存在する
低品質の乾草と高品質の乾草を分けて保存できる。   できない。  分けて保存できれば用途に応じて使い分けができる。

 
 
 

ぬれた乾草は火事の原因



農家の火事の原因の一つに不適切に保存された乾草が挙げられる。乾草は水分含量が20%程度まで落としてから保存しなくてはいけない。でないと発火した り、カビが生えたりする。保存後2ヶ月は、少なくとも週2回、変な匂いがしないか、熱を持っていないかをチェックする。もし、温度が43℃なら危険域に 入っているため、毎日温度をチェックすること。温度が71℃に達したら4時間おきに温度をチェックすること。85℃では熱くなっている部分を取り除き、消 防署とすぐに連絡を取れるようにしておくこと。空気と触れると炎が上がる可能性がある。98℃ではほとんど発火寸前であるため、火災保険がどうなっている かを確認し、もしもの場合に備えること。(Hoad's Dairyman June 2000)
 
 

午後遅く刈った乾草は乳量を増加させる



この話しは以前からありましたが、最近、ぼつぼつとその研究データーが集まってきており、実践的な技術として評価されてきているようです。ここでは Hord's Dairyman 5月10日号に掲載されていた文章の概要をお知らせします。

緑色植物は光合成によって糖を合成し、利用していますが、日中日差しが強い時間帯では、植物自身が使用するより合成する量が多くなり、日が暮れると、合成 するより消費する方が多くなるということを繰り返しています。よって、植物内の糖の含量は図1.のように一定のサイクルを持つ事になります。最も糖分含量 が高くなるのは日没後すぐぐらいとなります。
USDAの研究によると日没後に刈り取った乾草は、日の出時に刈り取った乾草より嗜好性が良く、糖分含量が高かったそうです。この傾向はアルファルファに ついても同様に言えました。
植物は日の出後1-2時間から、日没前1-2時間まで直線的に糖分を蓄積するため、刈り取りを午後から日没後1-2時間までに行えば、糖分含量の高い乾草 ができる事になります。
放牧牛は放牧草中の糖含量に敏感で、朝に比べて午後遅くの採食量が増加します。乳牛を放牧するとき、朝の搾乳後から放し、24時間毎に放牧地を変えるのが 一般的ですが、英国の試験ではこれを午後の搾乳後に切替えると乳量が増加したと報告しています。
ウィスコンシン大学の試験では、サイレージにする場合も、夕方遅く刈った草をサイレージにした場合、糖分が多いため発酵が早くなり、品質の良いものができ たと報告されています。
ユタ州立大の22頭の泌乳中期の乳牛を用いた試験では、夕方に刈ったアルファルファ乾草(40%)を含むTMRを給与した牛は、朝に刈ったアルファルファ を含むTMRを給与された牛より6ポンド多くのTMRを摂取し7.5ポンド多くの乳量を出したと報告しています。
 

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